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報告書

事故時の原子炉圧力容器及び炉内構造物の解析評価に用いる強度特性データ集

下村 健太; 山下 拓哉; 永江 勇二

JAEA-Data/Code 2022-012, 270 Pages, 2023/03

JAEA-Data-Code-2022-012.pdf:38.25MB

発電用原子炉である軽水炉において、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所と同様な全交流電源喪失が発生した場合には、原子炉圧力容器(RPV: Reactor Pressure Vessel)内の冷却機能の喪失、炉内の水位低下による燃料棒の露出、炉心溶融に伴うRPVの破損やRPV破損に伴う炉内の放射線物質の漏えいが発生することが考えられる。事故進展におけるRPVの損傷、溶融した燃料デブリの流出・拡大等の過程を検証、推定することは、廃炉作業を進める上で重要な情報となる。RPVの破損要因については、RPV下部構造部に加えられる荷重・拘束に起因する破損(力学的破損)、低融点金属や高融点酸化物とRPV底部の構造部材との共晶現象による破損(材料間反応による破損)、RPV底部の構造部材の融点近傍での破損が考えられる。破損要因の内、力学的破損については、数値解析(熱流動解析及び構造解析)により検証を行う。このような数値解析を実施する際には、RPV及び炉内構造物を構成する材料(ジルコニウム,炭化ホウ素,ステンレス鋼,ニッケル合金,低合金鋼等)の融点近傍までの伝熱特性(熱伝導率,比熱,密度)や材料特性(熱膨張係数,ヤング率,ポアソン比,引張,クリープ)が必要となる。本資料においては、公開文献を基に、RPV及び炉内構造物を構成する各材料の融点近傍までの母材の特性データをデータ集として取りまとめた。なお、RPV及び炉内構造物を構成する構造物の中には溶接部も存在するため、今回限られたデータであるが、溶接部に関する特性データも併せて示した。

論文

The Multiaxial creep-fatigue failure mechanism of Mod. 9Cr-1Mo steel under non-proportional loading; Effect of strain energy on failure lives

小川 文男*; 中山 雄太*; 旭吉 雅健*; 橋立 竜太; 若井 隆純; 伊藤 隆基*

Transactions of the Indian National Academy of Engineering (Internet), 7(2), p.549 - 564, 2022/06

改良9Cr-1Mo鋼の非比例多軸クリープ疲労負荷におけるひずみエネルギーベースの寿命評価法を提案する。非弾性ひずみエネルギー密度は、ヒステリシスループ内の面積として算出した。また平均応力の影響を実験的に検討し、非弾性ひずみエネルギー密度とクリープ疲労寿命の関係を調べた。ヒステリシスループの調査から、最大応力の低下は破損寿命の延長につながるが、ひずみ保持中の応力緩和は強度低下を引き起こすことがわかった。そこで、ヒステリシスループの最大応力とひずみ保持中の最小応力の影響を考慮した非弾性ひずみエネルギー密度の補正法を提案し、単軸および非比例多軸荷重のひずみエネルギー密度を求めた。これらの結果をもとに、非比例多軸荷重下でのクリープ疲労寿命を支配するメカニズムについて考察した。

論文

Evaluation of multiaxial low cycle creep-fatigue life for Mod.9Cr-1Mo steel under non-proportional loading

中山 雄太*; 小川 文男*; 旭吉 雅健*; 橋立 竜太; 若井 隆純; 伊藤 隆基*

ISIJ International, 61(8), p.2299 - 2304, 2021/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:33.99(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

高温において多軸負荷を受ける改良9Cr-1Mo鋼のクリープ疲労強度について述べる。中空円筒試験片を用いて、さまざまなひずみ波形での低サイクル疲労試験を実施した。低サイクル疲労試験は、軸ひずみを固定した比例負荷と、軸ひずみとせん断ひずみの位相差が90度の非比例負荷の下で実施した。応力緩和とひずみ保持が破壊寿命に及ぼす影響を検討するために、さまざまなひずみ速度での低サイクル疲労試験とさまざまな保持時間でのクリープ疲労試験も実施した。2種類の多軸クリープ疲労寿命評価方法を提案した。第一の方法は、非比例負荷係数とクリープ損傷を考慮したマンソンのユニバーサルスロープ法を使用してひずみ範囲を計算する。第二の方法は、線形損傷則を用いて非比例負荷係数を考慮して疲労損傷を計算し、修正延性損耗則からクリープ損傷を計算する。第二の方法は精度が優れ、第一の方法はそれより精度は劣るが、実用性が高い。

論文

Microstructural stability of ODS steel after very long-term creep test

岡 弘; 丹野 敬嗣; 矢野 康英; 大塚 智史; 皆藤 威二; 舘 義昭

Journal of Nuclear Materials, 547, p.152833_1 - 152833_7, 2021/04

 被引用回数:7 パーセンタイル:72.21(Materials Science, Multidisciplinary)

本研究では、ODS鋼被覆管の強度決定因子であるナノサイズ酸化物粒子及び母相組織の高温・応力負荷下での安定性を評価するため、700$$^{circ}$$Cで45,000時間を超える内圧クリープ試験に供して破断したODS鋼被覆管の微細組織観察を行った。観察したODS鋼は、焼き戻しマルテンサイトを母相とする9Cr-ODS鋼及び再結晶フェライトを母相とする12Cr-ODS鋼の製造まま材及びクリープ破断材である。破断後の内圧クリープ試験片から切り出した板片を電解研磨にて薄膜化し、透過電子顕微鏡JEOL 2010Fにて観察した。観察の結果、ナノ粒子のサイズ及び数密度は700$$^{circ}$$Cにて45,000時間を超えるクリープ試験後においてもほぼ変化なく、高温長時間試験中に安定に存在していたことを確認した。また、9Cr-ODS鋼の強度決定因子の一つである焼き戻しマルテンサイト組織についても、製造まま材とクリープ破断材の間に大きな違いはなく、母相組織は安定であることがわかった。

論文

Relation between intergranular stress of austenite and martensitic transformation in TRIP steels revealed by neutron diffraction

Harjo, S.; 川崎 卓郎; 土田 紀之*; 諸岡 聡; Gong, W.*

ISIJ International, 61(2), p.648 - 656, 2021/02

 被引用回数:5 パーセンタイル:41.35(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

${it In situ}$ neutron diffraction measurements of two low-alloy steels and a 304-type stainless steel during tensile and creep tests were performed at room temperature. Changes in the diffraction pattern, the integrated peak intensities of austenite ($$gamma$$), and the peak positions of $$gamma$$ were analyzed and discussed to elucidate the relationship between intergranular stress in $$gamma$$ and the occurrence of martensitic transformation during deformation. Tensile loading experiments revealed that the susceptibility to martensitic transformation depended on the $$gamma$$-(hkl) grains, where $$gamma$$-(111) grains underwent martensitic transformation at the latest. The $$gamma$$-hkl dependence of the susceptibility to martensitic transformation was found to be controlled by the shear stress levels in $$gamma$$-(hkl) grains, which were affected by the intergranular stress partitioning during deformation.

論文

Evaluation of breach characteristics of fast reactor fuel pins during steady state irradiation

岡 弘*; 皆藤 威二; 生澤 佳久; 大塚 智史

Nuclear Engineering and Design, 370, p.110894_1 - 110894_8, 2020/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

本研究では、実験的に得られた燃料ピン破損データを使用して、高速炉燃料ピンの破損予測における累積損傷和(CDF)での評価の信頼性を評価したものである。EBR-IIでの照射により定常照射中に破損した6本の燃料ピンについてCDFを評価した。照射後試験により、被覆管のクリープ損傷に対するFCMIの寄与は小さく、FPガスを含む内圧応力により評価可能であることがわかった。被覆管温度履歴やFPガスによる内圧上昇を考慮し、炉内クリープ破断式を使用して破損ピンのCDFを評価した結果、破損発生時のCDFは0.7から1.4の範囲であり、定常照射での燃料ピン破損はCDF値が1.0近傍において発生する実績が得られた。本結果により、適切な材料強度と環境効果が考慮された場合、CDF評価は燃料ピン破損の予測にあたって信頼性のある手法であることがわかった。

論文

The Effect of base irradiation on failure behaviors of UO$$_{2}$$ and chromia-alumina additive fuels under simulated reactivity-initiated accidents; A Comparative analysis with FEMAXI-8

宇田川 豊; 三原 武; 谷口 良徳; 垣内 一雄; 天谷 政樹

Annals of Nuclear Energy, 139, p.107268_1 - 107268_9, 2020/05

AA2019-0372.pdf:0.81MB

 被引用回数:3 パーセンタイル:35.51(Nuclear Science & Technology)

This paper reports a computer-code analysis on the base-irradiation behavior of the chromia-and-alumina-doped BWR rod irradiated to 64 GWd/t in Oskarshamn-3, Sweden, and subjected to the reactivity-initiated-accident (RIA) test OS-1, which resulted in a fuel failure due to pellet-cladding mechanical interaction (PCMI) at the lowest fuel-enthalpy increase in all the BWR tests ever performed. The inverse calculation which utilized post-irradiation examination data as its constraint conditions revealed that the OS-1 rod had very likely experienced more intense PCMI loading due to higher swelling rate during base irradiation than other BWR rods subjected to previous RIA tests and thus had been prone to experience enhanced radial-hydride formation. The significant difference in the cladding hoop-stress more than 50 MPa discriminates the OS-1 rod from other BWR rods and supports the interpretation that enhanced radial-hydrides formation differentiated the PCMI-failure behavior observed in the test OS-1 from the previous BWR-fuel tests.

論文

Development of creep property equations of 316FR stainless steel and Mod.9Cr-1Mo steel for sodium-cooled fast reactor to achieve 60-year design life

鬼澤 高志; 橋立 竜太

Mechanical Engineering Journal (Internet), 6(1), p.18-00477_1 - 18-00477_15, 2019/02

316FR鋼と改良9Cr-1Mo鋼はナトリウム冷却高速炉(SFR)の構造材料への適用が検討されている。日本原子力研究開発機構は、経済性の向上と放射性廃棄物の削減を目的として、いくつかの革新的技術を提案しており、その中でも最も有効な手段の一つとして60年設計を採用することが挙げられている。60年設計を可能とするためには、日本機械学会規格に規定されている材料強度基準等を30時間から50万時間に延長しなければならないが、これには外挿性に優れたクリープ破断関係式及びクリープひずみ式が不可欠である。本論文では、長時間クリープ特性評価に基づいて、316FR鋼及び改良9Cr-1Mo鋼の高温・長時間におけるクリープメカニズムの変化を考慮したクリープ特性式の開発について述べる。開発したクリープ特性式は、現行の日本機械学会規格のクリープ特性式よりも、より正確な長時間クリープ特性評価が可能である。

論文

Creep deformation analysis of a pipe specimen based on creep damage evaluation method

勝山 仁哉; 山口 義仁; Li, Y.

Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 6 Pages, 2018/07

過酷な条件下における原子炉機器の破損挙動を評価するための手法の整備が重要となっている。我々は、有限要素法を用いて、高温下における機器のクリープ変形及び損傷挙動を評価するための手法の整備を進めている。本研究では、COSSALベンチマーク解析の一環として、我々が整備したクリープ損傷評価手法の検証を行うことを目的に、大型管状試験体に対する損傷評価を行った。その結果、材料の損傷を考慮したクリープ構成則が最も精度がよいことなどを示した。

報告書

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究(共同研究)

福井 勝則*; 羽柴 公博*; 松井 裕哉

JAEA-Research 2017-010, 61 Pages, 2017/11

JAEA-Research-2017-010.pdf:16.86MB

原子力機構は、岩盤の長期挙動を把握・評価できる技術の確立に資するため、年単位を超えるような岩石の長期クリープ試験や、高レベル放射性廃棄物の地層処分において想定される常温から100$$^{circ}$$C程度の高温条件下での岩石の長期挙動を把握するための技術の開発等を実施し、想定される様々な条件下での岩石の長期挙動現象の特徴やその程度に関する実験的評価を行うことを目的とした研究を、共同研究として2016年度から開始した。2016年度は、既往の研究成果を踏まえ、20年程度継続して実施している田下凝灰岩のクリープ試験を引き続きおこなった。また、速度過程論や確率過程論にもとづく理論を水の影響を扱えるように修正し、気乾状態と湿潤状態における強度試験とクリープ試験の結果をもとに、修正した理論の妥当性を検証した。さらに、種々の含水状態のもとで一軸圧縮試験を行い、応力-歪曲線におよぼす含水状態の影響について検討した。

報告書

核変換物理実験施設用MA燃料被覆管を想定した被覆管破裂試験

菅原 隆徳; 辻本 和文

JAEA-Research 2017-011, 35 Pages, 2017/10

JAEA-Research-2017-011.pdf:4.88MB

J-PARCで建設を計画している核変換物理実験施設(TEF-P)では、崩壊熱の高いマイナーアクチノイド(MA)含有量の高い燃料を強制冷却風で冷却しながら使用することを検討している。冷却用の空気が停止した場合、MA燃料の崩壊熱により燃料の最高温度が数百$$^{circ}$$Cに達すると評価しているが、その際のMA燃料被覆管材料の健全性を評価するデータが存在しなかった。そこで、TEF-Pでの使用条件を考慮した条件で被覆管破裂試験を行い、あわせてクリープ破断時間の評価を行うことで暫定的な制限温度の設定を目指した。被覆管破裂試験およびクリープ破断時間の評価結果から、600$$^{circ}$$C以下であれば、TEF-P用MA燃料被覆管の破損を防ぐことが可能であることを示した。以上から、TEF-P炉心の事故時における暫定的な被覆管最高温度を600$$^{circ}$$Cと設定した。

報告書

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究; 2015年度(委託研究)

福井 勝則*; 羽柴 公博*; 松井 裕哉; 桑原 和道; 尾崎 裕介

JAEA-Research 2016-014, 52 Pages, 2016/09

JAEA-Research-2016-014.pdf:7.19MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、処分坑道の力学的安定性は、建設・操業時はもとより閉鎖後も千年程度にわたって要求される。一方、処分坑道をとりまく岩石や岩盤は、クリープや応力緩和などの力学的な時間依存性挙動を示すことが知られており、その挙動を把握することは処分坑道の安定性評価における課題となっている。この課題解決のため、調査研究開発を進めてきた。本年度は、田下凝灰岩のクリープ試験装置を、再度、移設した。試験は中断することなく、試験期間は18年を越えた。また、これまでに実施した土岐花崗岩の試験結果と、拡張したコンプライアンス可変型構成方程式による計算結果を比較しながら、種々の時間依存性挙動の関係性について定量的に検討した。さらに、湿潤状態かつ常温$$sim$$100$$^{circ}$$C程度での、岩石の変形・破壊特性および時間依存性を調べるための試験方法について検討した。

論文

Creep-fatigue tests of double-end notched bar made of Mod.9Cr-1Mo steel

下村 健太; 加藤 章一; 若井 隆純; 安藤 勝訓; 廣瀬 祐一*; 佐藤 健一郎*

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 9 Pages, 2015/05

本研究は、SFR機器の設計基準が考えうるすべての破損様式をカバーしていることを確認するための実験的・解析的研究である。現行の設計基準におけるクリープ疲労損傷評価法は、従来のオーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS304)の実験や数値解析に基づいて構築されている。改良9Cr-1Mo鋼の材料特性はオーステナイト系ステンレス鋼のそれらとはかなり異なるので、現行の設計基準の改良9Cr-1Mo鋼製機器への適用性を確認する必要がある。両側切欠きを有する改良9Cr-1Mo鋼試験片に対する30分のひずみ保持を伴う単軸クリープ疲労試験を実施した。キリカキ底の半径は、1.6mm, 11.2mmと40.0mm。1.6mmと11.2mmの切欠き試験片は切欠き底から破損したが、40.0mmの切欠き試験片は明らかに内部から破損した。また、保持時間は合計わずか2,000時間程度であるにもかかわらず、多くのクリープボイドと、粒状界き裂成長が観察された。このような特異な破損様式の原因を究明するため、いくつかの追加実験と数値解析を実施した。それらの結果から、このような特異な破損様式の原因を絞り込むことができた。最大の要因をはっきりさせるための将来の計画も提案した。

論文

Analysis on lift-off experiment in Halden reactor by FEMAXI-6 code

鈴木 元衛; 草ヶ谷 和幸*; 斎藤 裕明*; 更田 豊志

Journal of Nuclear Materials, 335(3), p.417 - 424, 2004/12

 被引用回数:5 パーセンタイル:35.25(Materials Science, Multidisciplinary)

燃料解析コードFEMAXI-6により、ハルデン炉でのリフトオフ実験を、測定された詳細な試験条件を用いて解析した。燃料棒内部の過圧による被覆管のクリープアウトの影響を分析するために、二種の仮定に基づいて計算した燃料中心温度が実測値と比較した。仮定(1)は、過圧による被覆管のクリープアウト期間中、ペレット-被覆管のボンディング層を通した高い熱伝達が維持される仮定、仮定(2)は、被覆管のクリープアウトによってボンディング層が破壊される仮定である。実測された中心温度上昇は、仮定(1)の計算結果より数十度高いが、この差は仮定(2)に基づく計算結果よりはるかに小さい。したがって、実測された中心温度上昇は、被覆管のクリープアウトにより引き起こされたペレット片の不規則な再リロケーションなどによる実効的熱伝達低下に起因すると考えることが適当である。

論文

Damage evaluation techniques for FBR and LWR structural materials based on magnetic and corrosion properties along grain boundaries

星屋 泰二*; 高屋 茂*; 上野 文義; 根本 義之; 永江 勇二*; 三輪 幸夫; 阿部 康弘*; 近江 正男; 塚田 隆; 青砥 紀身*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 29(4), p.1687 - 1690, 2004/06

高速炉(FBR)及び軽水炉(LWR)の構造材料の劣化評価のため、結晶粒界に沿った磁気及び腐食特性に基づく新しい評価技術の開発に着手した。経年化したFBR構造材料に対し、磁気的方法を適用し、き裂発生以前の初期段階のクリープ損傷を非破壊検出することができる。そこで、クリープ損傷を受けた常磁性のステンレス鋼について、自然磁化に対する負荷応力の効果を調べた。一方、イオン照射したステンレス鋼の粒界近傍の腐食特性及び光磁気特性はそれぞれAFM及びKerr効果顕微鏡を用いて評価した。これらの劣化はCr欠乏等の粒界近傍の性質変化によって引き起こされた。この結果、原子炉構造材料の劣化進行過程の初期段階は、粒界に沿った磁気及び腐食特性によって検出できることがわかった。

論文

2次元C/C複合材のクリープ特性と微細構造

柴田 大受; 馬場 信一; 山地 雅俊*; 角田 淳弥; 石原 正博

日本機械学会M&M2004材料力学カンファレンス講演論文集, p.407 - 408, 2004/00

高温ガス炉の炉内構造材として有望である2次元C/C複合材について、その健全性を評価する設計手法を確立するため、クリープの発現を含めた高温変形特性について調べ以下の結論を得た。(1)室温での引張り試験により、クリープ条件を調べるうえで基準とする室温引張り強さを160MPaと評価した。データの偏差は、炭素繊維の方向と試験片平行部の方向とのずれに関連することを示した。(2)800$$^{circ}$$Cでの高温変形試験において、室温引張強さの80%の応力では300時間では有意な変形挙動は見られなかった。また、95%の応力では、一般的なクリープ変形に似た時間に伴うひずみの増加挙動を示し、約10時間後に破断した。室温で同じ応力を加えた試験では変形を生じていないことから、高温での変形は温度による効果で発現したと考えられる。(3)高温変形破断後の試験片断面の状態から、繊維の引き抜きを伴う擬似クリープが生じたと考えられた。また、破壊の起点の一つとして、C/C材の製造時にマトリックス部に生じる残留気孔が関与していると推測される。C/C複合材を用いた炉内構造物の製作にあたっては、残留気孔の影響に注意すべきである。

論文

Analysis of pressure- and temperature- induced steam generator tube rupture during PWR severe accident initiated from station blackout

日高 昭秀; 丸山 結; 中村 秀夫

Proceedings of 6th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operations and Safety (NUTHOS-6) (CD-ROM), 15 Pages, 2004/00

シビアアクシデント研究の進展により、PWRの全交流電源喪失(TMLB')中は、加圧器逃がし安全弁からの蒸気流出により、圧力容器破損前に加圧器サージラインがクリープ破損するため、格納容器直接加熱が起きる可能性は低いことが明らかになった。しかしながら、その後、何らかの原因で2次系が減圧された場合、ホットレグ水平対向流による温度上昇と差圧により、SG伝熱管がサージラインよりも先に破損する可能性が指摘された。事故影響緩和の観点からは、このような圧力及び温度に誘発される蒸気発生器伝熱管破損事故(PTI-SGTR)は、放射性物質が格納容器をバイパスし、事故影響を増大させるため好ましくない。USNRCは、SCDAP/RELAP5コードを用いて当該シーケンスの解析を行ったが、サージラインの方が伝熱管よりも早く破損する結果となった。しかしながら、USNRCの解析では、伝熱管入口部の温度予測に影響を与えるSG入口プレナムの蒸気混合に関して粗いノード分割を用いていた。そこで、蒸気混合の影響を調べるため、MELCOR1.8.4コードを用いて、同一シーケンスに対する解析を行った。その結果、2次系が減圧されないTMLB'ではサージラインが最初に破損するが、2次系が減圧されるTMLB'では伝熱管の方が先に破損する結果となった。PTI-SGTRの発生条件に関してさらに調べる必要がある。

論文

Assessment of irradiation temperature stability of the first irradiation testi rig in the HTTR

柴田 大受; 菊地 孝行; 宮本 智司*; 小倉 一知*

Nuclear Engineering and Design, 223(2), p.133 - 143, 2003/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.88(Nuclear Science & Technology)

高温工学試験研究炉(HTTR)は、様々な照射試験のために高温で大きな照射空間を提供することができる。HTTRの最初の照射設備としてI-I型材料照射試験用設備が開発された。これは、ステンレス鋼の照射下クリープ試験を標準サイズの大型試験片を用いて実施するためのものである。この設備では照射温度制御に炉内の高温の雰囲気を利用する設計としており、照射温度は550$$^{circ}$$Cと600$$^{circ}$$Cで$$pm$$3$$^{circ}$$Cの変動範囲で実施することを目標としている。本研究は、試験片の照射温度の安定性を解析的及び実験的手法により評価したものである。まず、過渡状態における試験片温度の変化を有限要素法(FEM)により解析し、次にモックアップを用いて温度制御性を実験的に検証した。さらに、得られた結果をHTTRの出力上昇試験で測定された炉内黒鉛構造物の温度変化特性と比較検討した。その結果、I-I型材料照射試験用設備の温度制御方法が、安定な照射試験を実施するうえで有効であることを示した。

論文

Dosimetry plan at the first irradiation test in the HTTR

柴田 大受; 菊地 孝行; 島川 聡司

Reactor Dosimetry in the 21st Century, p.211 - 218, 2003/00

国内初の高温ガス炉である高温工学試験研究炉(HTTR)は、2002年3月に熱出力30MW原子炉出口温度850$$^{circ}C$$の定格出力運転を達成した。HTTRでは、高温ガス炉技術基盤の確立・高度化とともに、高温で広い照射空間を利用して照射試験を行うことを目的としている。HTTRの初めての照射設備として、I-I型材料照射試験用設備が開発された。これはステンレス鋼の照射下クリープ試験を標準サイズの大型試験片を用いて実施するためのものであり、照射温度は550と600$$^{circ}$$Cで$$pm$$3$$^{circ}C$$の変動範囲、高速中性子照射量は1.2$$times$$10$$^{23}$$n/m$$^{2}$$,最大荷重は9.8kNを目標としている。照射下クリープ試験の実施に先立ち、HTTRの照射条件を確認するため、I-I型設備による初めての照射試験として炉内データ測定試験を予定している。炉内の中性子束・中性子照射量は照射設備内に装荷された自己出力型中性子検出器(SPND)と各種のフルエンスモニタにより、また、温度はK型熱電対と温度モニタにより測定することとしている。このドシメトリーはHTTRの炉内照射条件を初めて確認できるものであることから、照射試験のみならず今後の高温ガス炉技術にとって有用なデータが得られると期待される。本報は、このドシメトリー計画とそれによって得られるデータの評価手法についてまとめたものである。

報告書

HTTRの照射設備の開発及び炉内データの取得方法; I-I型材料照射試験用設備

柴田 大受; 菊地 孝行; 宮本 智司*; 小倉 一知*

JAERI-Tech 2002-097, 19 Pages, 2002/12

JAERI-Tech-2002-097.pdf:1.4MB

高温工学試験研究炉(HTTR:High Temperature Engineering Test Reactor)は、熱出力30MWの黒鉛減速・ヘリウムガス冷却型の高温ガス炉であり、高温ガス炉技術の基盤の確立と高度化に加えて、高温の照射環境を活かして高温工学に関する先端的基礎研究を行うことを目的としている。今後HTTRでは、安全性実証試験や高温試験運転の実施に加え、高温で広い照射空間を利用して照射試験を進めていく計画である。本報告書は、これまでに開発した、HTTRの初めての照射設備であるI-I型材料照射試験用設備について、その設計及び照射試験における炉内データの取得方法についてまとめたものである。本設備はHTTRで金属材料の照射下クリープ試験を実施するため設計されており、大型の試験片に安定して大きな荷重をかけられること、照射温度制御性に優れていることなどの特長を有している。照射下クリープ特性は、新たに開発した差動トランスにより、また炉内の照射データは、熱電対や自己出力型中性子検出器(SPND)により連続的に測定し、照射試験後にフルエンスモニタにより中性子照射量を評価する予定である。ここで得られる試験結果は、初めての炉内の照射データであることから、今後の高温ガス炉技術の高度化等にも貢献することが可能である。

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